久しぶりに小説を読みました。
「タタール人の砂漠」
辺境の砦でいつ来襲するともわからない敵を待ちつつ、
緊張と不安の中で青春を浪費する将校ジョヴァンニ・ドローゴ。
幻想文学の古典ということみたいですが、とんでもない!今読んでも胸に迫るモノがあります。
読む人によっては相当なダメージを受けるのではないだろうか。
辺境の砦に配属となった将校の主人公。
国境警備の任務。最初はすぐにでも町に帰りたかった。
何の楽しみもなく、いくら「待っても」なんの変化もない日々。
日常や感傷に絡め取られ縛り付けられ、このまま人生を浪費するだけなのか。
敵が攻めてくる、という幻想にすがり待つしかないのか…。
いやー、まだ物語の余韻が残っています。
もっと若いときに読んでいたら…と思いましたが、仮に若いときに読んでいたとしても感じ入るものは少なかったかもしれません。
読んでいたとしても「自分は違うけどな」としか思わなかったでしょう。
それだけ私は想像力欠如のアホでした。
若いとき「根拠の無い全能感」から「自分だけは、ほかの人には訪れない出来事や栄光がやってくる」と思い込み、「時間は無限にある、きっと何か特別なことが起こるはずだ」とただ待っているだけでした。
でも、そんなことはありえないのです。
ただただ、時間だけは平等に過ぎ去っていくだけ。
大人の動画を見て、寝る。