夏らしいことをなにひとつしていない。
昭和20年。1945年。敗戦。
無学の私だが、大きな流れの中で散っていった無名の人たちに。
実家に顔を出し、両親の健康状態を観察し、会話しておかしなところはないか確認作業。
そして実家からむさ苦しい男やもめの部屋に戻ってきた。
いつまでこんな日々が続くのだろうと思いながら、毎日をやりくりしている。
いや、実際はほとんどなにもしていないが。
勝手に常連だと思っている居酒屋でご飯を食べていると、小学校低学年くらいの子供を連れた男性とギャル夫婦(?)が談笑していた。
小さい子供よ、文化資本や人的資産を大事にしろよ。
たまたま僻地に生まれただけで、周囲の人間に恵まれていなかっただけで、そもそも認識すら出来ない「事象や概念」だってたーくさん、たーくさんあるんだぞ。
せっかく享受できる地域や家庭環境に生まれ落ちたのなら、うまく活用しろよ、と勝手に心の中でエールを送った。