よく行く珈琲店で、初々しい店員さんを見かける。
最近、入ったのだろうか、どこかぎこちない。
おどおどした話し方、危なかっかしい歩き方、お世辞にも要領が良いとは言えないのだろう。先輩店員から苦笑いの表情で、指導されていた。
とても他人事には見えなかった。
どうして小馬鹿にすることができようか。
もし、俺が今の仕事を辞めて接客業に従事したとしても、まったく使いものにならないだろう。
自慢ではないが、俺は非常に不器用だ。
誰にだって、今まで従事して来た事とは全く違う仕事に就く可能性やリスクはあるのだ。
長い人生、良いことばかりではないけど、悪いことばかりでもない。
生きてみなけりゃわからないこともある。
少しづつ、得意なこと得意ではないこと、そして自分の強みに自信を持って欲しい。
俺は何も出来ないけど、
でも他人事には見えないその店員さんに
心の中でそっとエールを送った。
そんな夜。